日経メディカルオンライン から
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2011. 8. 23
http://medical.nikkeibp.co.jp/inc/mem/pub/di/column/kumagai/201108/521216.html
埼玉の調剤過誤は"ただ事"じゃない
既に多くの皆さんはご存知だと思いますが、先週末、調剤過誤のニュースがありました。
●【小嶋埼玉県薬会長・書類送検】調剤ミスで業務上過失傷害容疑(薬事日報8月19日)
http://www.yakuji.co.jp/entry24035.html
●調剤ミス:疑いで書類送検 女性死亡で2薬剤師──埼玉県警(毎日新聞8月19日夕刊)
http://mainichi.jp/select/science/news/20110819dde041040069000c.html
各社の報道をまとめますと、書類送検に至った経緯は次のようです。
埼玉県薬剤師会の会長を務めていた小嶋富雄氏は昨年3月25日、当時75歳の女性に対して、胃酸中和剤を調剤しなければならないところを誤ってコリンエステラーゼ阻害薬の臭化ジスチグミン(ウブレチド他)を調剤しました。鑑査は「患者を待たせるのが嫌だ」という理由で行っていなかったようです。その結果、女性は同年4月7日に臭化ジスチグミン中毒で死亡。この容疑で小嶋氏は今年の8月19日に、業務上過失傷害容疑で埼玉県警によってさいたま地検に書類送検されました。
ミスの原因は、自動錠剤分包機の設定ミスだったそうです。昨年の2月下旬ごろ、別の薬剤師が自動錠剤分包機に胃酸中和剤を登録しようとした際、既に登録している臭化ジスチグミンの番号を打ち込んでしまいました。その結果、一包化を行う際に胃酸中和剤を選択すると、臭化ジスチグミンが機械から排出されるようになっていたようです。誤調剤は2月下旬から4月まで行われ、死亡した患者を含む約20人に約2700錠が処方されました。
……2700錠ですからすごい規模です。機械の怖さを改めて感じるのですが、今回の事件が"ただ事"じゃないのはこの先です。
この薬局には65歳の女性管理薬剤師がいました。昨年の4月1日、別の薬剤師が自動錠剤分包機が誤った設定になっていることに気付き、この管理薬剤師に報告しました。しかし、この管理薬剤師は患者に対する服用中止の指示や薬剤回収をせず放置。これが4月7日の患者死亡につながったのではないかとされ、彼女は小嶋氏よりも重い、「業務上過失致死容疑」で書類送検されています。
そしてさらに異常なのは、これも報道レベルですが、女性管理薬剤師が薬品を回収せずに放置した理由について、「社長(小嶋氏)に叱責されるのが嫌だったから」と供述していることです。
……この件は、現役の県薬会長の薬局で起きた事故だったり、取り違えた薬剤が毒薬といったセンセーショナルな面も手伝ってか、業界紙だけでなく一般紙やテレビでも大きく報道されました。FacebookやTwitterでも薬剤師からの多くの反応がありました。日本薬剤師会もコメントを出しています(こちらhttp://www.nichiyaku.or.jp/press/wp-content/uploads/2011/08/pr_110822.pdf)し、結果的に小嶋氏も会長職を追われる形となりました。
今回の件、個人的には調剤過誤や事故といったエラーの延長線にあるものではなく、「不祥事」に該当するのではないかと思っています。そういう意味で、この事件(あえてこの書き方をしますが)が持つ意味は、極めて重いものであると言えます。
それを一言で表すならば、道義的な面において、「薬剤師しか調剤してはいけないという必然性が、大いに損なわれた」と表現できるでしょう。
根源的な問いですが、私たちが自身を「薬剤師」だと名乗る理由は何でしょうか。国家試験に受かったからでしょうか。では、国や社会は、何を持って私たちを薬剤師だと認めてくれるのでしょうか。
薬学的な知識、調剤の手技、もちろんそうでしょう。それがなければ私たちは薬の専門家ではありません。でも知識だけだったら我々よりももっと詳しい人はいますし、手技も、今や機械に取って代わられている部分もあります。そう考えると、私たちが薬剤師であるということは、もっと別の深い部分にあるのかもしれません。
報道が事実なら、国や社会に認められたはずの薬剤師が、「叱責されるから」という理由で患者の命を軽視したわけです。当事者だけじゃありません。そもそも、この薬局が「患者を待たせたくないから鑑査をしない」「上司に怒られるから過誤を放置する」……そういう職場だったことが問題だと思います。
ただし、「この薬局の風土が……」というのはうちわの論理です。私たち薬剤師の間では通用しても、世間から見たら、薬剤師全体が大変厳しい目で見られるようになってしまったということは、覚悟しておかなければなりません。
結びに、私が愛して止まない小説「神様のカルテ2」の中にたびたび出てくる一節をご紹介します。元はセオドア・ソレンセンという人の言葉だそうですが、私たち薬剤師にとっても胸に響く言葉です。
「良心に恥じぬということだけが、我々の確かな報酬である」
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はは。すごすぎです。
薬剤師は、免許制にするべきです。 キリッd( ̄  ̄)
えー、とっくに国家□なの?
薬種商の□レベルなんだと思います。
言ったもん勝ちの□みたいです。
僕もあなたも、明日から名乗ろうやくざいし。
これ、ひとごろし ですよね。
ウブレチドなんか、そもそも高齢者に、そんなにザラザラ出しちゃいけません。
オソロシイ。