2010年2月16日火曜日

悪液質のことを心配してみる。

日経メディカルオンラインで悪液質に関する話題があった。
自分の理解を深めるためにも、少しお勉強してみた。
ようは、紹介と言う事に自分の云いたいことを付けっ加える作業で。

 下記のお三方のお話で記事は構成されています。
小さくしてごめんなさい。
癌研有明病院緩和ケア部長の向山武人氏
三重大学大学院医学研究科消化管・小児外科准教授・病院教授の三木誓雄氏
国立がんセンター東病院肝胆膵内科の光永修一氏


悪液質という状態がある。

これは聞いたことがある。
癌になって経過時期的には、後ろの方のターミナルな感じだ。
食べても、食べても痩せてしまい、栄養失調状態に陥ってしまうのだ。
急激に痩せると、何かの病気を疑うということがありますが、
つまりはそういうことです。

癌に関連したこの体重減少は、
「がん関連体重減少」CAWL)と
「がん誘発性体重減少」CIWL)の二種類があるそうです。

私は、癌になって、原発巣から転移しようとして、
遊離したがん細胞がふわふわと体内血流に乗っているイメージを、悪液質だと思っていた時期があった。
そうじゃぁ無いの(。´・ω-)bネッ。

「がん関連体重減少」(CAWL)は癌に対する治療によっておきる食欲不振や、癌を患っている状況による精神的なストレスから来る食欲不振で起こるとされていて、ちゃんとした良質の栄養を摂取することによって、何とかなるらしい。

問題なのは、「がん誘発性体重減少」(CIWL)の方で、「がん関連体重減少」(CAWL)のように、ちゃんとした栄養を取ってりゃいいのさ~ っていうわけには行かないんだと。
「がん誘発性体重減少」CIWLの原因は、がん細胞に対する免疫細胞によって分泌される炎症性物質のサイトカインやホルモンが起こす代謝の異常で、それによって体重が減っているから、ただ食っただけではダメということらしい。

1.癌の重量や転移の有無・発生部位は関係ない。
2.癌自体の重量が、患者自身の体重の0.01%(!)を超えると起こる。(65kgの体重で6.5g)
3.癌が大きくなるスピードと「がん誘発性体重減少」(CIWL)が進むスピードには関連がない。
(癌研有明病院緩和ケア部長の向山武人氏)

勝手にイメージすると…
原発巣や転移巣を含めて総癌細胞重量が、
自身の体重の0.01%を超えた頃に、
それは始まる。ってことでいいのだろうか。
割と、原発巣が限られてサイズがある、とかならわかり易いが、
遠隔転移が沢山あったり、無数に小結節があったりすると
⊂( ・∀・)ワケ ( ・∀・)つワカ ⊂( ・∀・)つラン♪


炎症性のサイトカインが、がん細胞の存在によって過剰に分泌されることで、全身に炎症が広がる。

このことがいけないらしい。

悪液質という症候群は、その炎症が引き起こされている上で起こる出来事のようだ。
おまけに、そのサイトカインは炎症だけじゃなくって、神経系にも作用して、がん患者の精神状態を悪くもさせてもいるらしい。

「がん誘発性体重減少」(CIWL)は、炎症性サイトカインがワルイのだということらしい。
でも、癌が存在することによって、体が免疫応答として出しているサイトカインだもんなぁ。
これは止まらんわなぁ。

ここで、スピリチュアルペインということに言及されているんだが、よく判らんので触れられないのだった。
ただ、このスピリチュアルペインってのも、悪液質の進行と密接な関係があるように云われるそうだ。
ま、日本人の宗教観は、「ヒデじいが三途の川を渡る。待っているのはお花畑の向うに閻魔様」くらいだがなぁ。

炎症で問題となるサイトカインにはいくつかあるんだが、
このうちIL-6というのが、最近では中心的にクローズアップされているようだ。
どうでも「がん患者のQOLを下げるほとんどの症状で、IL6が裏で糸を引いている」というから、そうとうに性質が悪い。
特に、「がんの組織がIL-6とともにIL-6受容体をも高発現している」事や、
IL-6が中心となってがんの悪液質が発生、しかも、がん組織自ら産生したIL-6を、さらに自ら受容して増殖する。」という「患者にとっては大変迷惑な循環現象が起こっていると捉えるようになった。」らしいぞ。
なんてひどい話なんだ。
(三重大学大学院医学研究科消化管・小児外科准教授・病院教授の三木誓雄氏)
癌細胞のデフレスパイラルやぁ~∑(´Д`;)

でもって、IL-6の悪行は「血中CRP値が鋭敏に反映している」らしい。
CRPは炎症のマーカーだ。
C反応性蛋白:これがあがっているときは、体のどこかで炎症が起きている。
ってことは、( ´ノω`)コッソリIL-6が悪さをしても、おおよその悪行は知れるということか。 

ふつう、「栄養状態が悪くて痩せているならば、強制的に栄養を投与すれば、症状は改善するはずだ。」けど、そうはならないらしい。
それが、そうはならないのは炎症があるからだ そうだ。

で、炎症のマーカーをCRPで、
栄養補給のマーカーを血漿中のたんぱく質である、アルブミンで追いかける。

これは、説明が面倒なので、図を拝借してしまいたかった。
CRP0.5mg/dlの上下で、アルブミンAlb3.5g/dlの上下で判断する。

A群: CRP(-) Alb(+) 正常なパターン
B群: CRP(-) Alb(-) 普通だったら低栄養な感じ
C群: CRP(+) Alb(+) 癌悪液質の予備軍
D群: CRP(+) Alb(-) 癌悪液質どっぷりパターン
この4つに分類するんだぞ。

CRPは、0.3mg/dL以下が成人の正常値とされている。
1.0mg/dL未満を軽度の上昇、1.0mg/dLを中等度の異常とする。
重症細菌感染症や関節リウマチの活動期には10mg/dLを超えるようになる。」そうだ。

でも、「がんに由来するCRP値上昇はがんが発見される何年も前から続くことになり、結果的に大きなダメージを患者の身体に与えている」のだそうだ。
チリも積もれば山となるわけで。
ずーっと、熱が出ているみたいなもんだ。
肝炎状態の微熱や倦怠感みたいな感じだろうか?
とりあえず、10mg/dlを超える数字を観たときには、
背筋にナニかを反応させよう。

何も無いときの、私のCRPは大体、0.1mg/dl以下だ。
2年前、風邪を引いて受診したときの7.8mg/dlってのが私のレコードだが、1.0mg/dlを超えていることは、まだ少ないね。
これから増えるかも知れんけど(´Д`;)
Albも大体、4.5g/dlくらいある。
なるほど、初めての化学療法でシスプラチン+ナベルビンをやったが、3サイクルから4サイクルあたりの相当ヘロヘロしていた時期には、3.5g/dlってデータが残っている。
今後、Albも注意してみてみます。

で、この指標を用いて、大腸がんの患者さんたちをステージごとに分類して振り分けている。
StageⅠ~Ⅳの4つのステージで。
想像通り、症状の軽いStageⅠには、A群の比率が高く、
ステージが進むにつれて、D群の比率が高くなる。
状態が悪いことイコール悪液質:炎症マーカーが高く、栄養マーカーは低いカンジだ。

ここで問題になっているのは、
StageⅠにも10%程度D群の栄養不良、炎症過多なパターンが存在しているコト。
画像診断をしても映らない、残存癌の存在を示唆している。
手術で取ったにも関わらず、そういう例では、それが危惧されるのだろうか。

私は、それにあてハマって無い、漏れている。
これは、大腸がんのケースなので、
肺がんが同じとはいえないのだろうか。
イヤイヤ、私は悪液質では無かったってことだけだな。
それらデータ異常が、常に残存癌を示すわけじゃあ無いよってコトだ。

一般的には悪液質は「進行したがんに限定されたものと考えられてきたが、炎症というキーワードで考えると、がん全般に関わる可能性も出てきた。」(。 ・ω・))フムフム
がんは「炎症をベースに進行する病気の1つである。」そして、
「がんと炎症は不可分の関係にある。」のだそうだ。

ここからが本題だ。

「では、炎症を制御することができるだろうか。」
「現在までに医師が使うことができるツールは2つある。」

よししよしそれは何だ?

1つは炎症性サイトカインやその働きを封じる医薬を使う方法だ。」
(「関節リウマチやキャッスルマン症候群のような高度な炎症を伴う疾患の治療法としてTNFIL6受容体に対する抗体医薬が実用化している。この抗体を使う方法は既に臨床研究が始まっている。」)
これは、リアリティが今は感じられないので割愛することにしたぞ。

「もう1つは意外にも炎症を緩和する食品を利用することだ。」


食べるんかい( ´∀`)Σ⊂(゚Д゚ )



ここから20096月に、一般食品として市販された飲料「プロシュア(キャラメル味)1パック240mL」(販売:アボットジャパン)の宣伝が始まります。

こいつが、どういいのか?

(亜鉛やビタミンC・ビタミンEも入って1パック300kcal
「魚油に含まれるEPAは、その代謝過程において抗炎症性の物質を産生することから、炎症性の症状を改善する効果が認められている。」

ということだ。ここがみそだな。
でもコマーシャルベースで、イラッときたな。


気を取り直してね。

おおもとの癌を見つけてくれた知り合いに、化学療法で入院する話をした際、治療にあわせてエパデールを出して貰えと薦められた。
エパデールも、このEPAを含む食品のような薬品だ。
その人は、経管栄養とかもやっていて、海外の学会報告で化学療法をやる際には、必ずEPAが追加されて患者が摂取している。
そのことで、より長く化学療法を受けることができるんだという話を聞かされた。
そのときは、詳しい説明も無かったし、事実しか知らされなかったから、何のことやら狐につままれながらも、云われた通りにしたものだ。
コレを出して貰ったときに、担当医はよく理解していなかった。
今は、どうだろうか。

「海外では、静脈から投与するEPAを含有する脂肪乳剤や濃厚流動食が開発されている。ちなみにEPA2.2gをマグロから摂取するには、マグロの魚肉1kgを必要とするという。」
つまりは、こういうことだったのだ。

この「プロシュア」ってのがいいかどうかは知らん。
試したことないし。
エパデールは、飲みにくい。

やつらは、昔は大きなソフトカプセルで飲みにくかった。
この間、貰ったときには、チビチビの顆粒ソフトカプセルで、かさばるのが問題だったし、やっぱり飲みやすいとはいえなかった。

でも、あれは飲んでてよかったと思う。
近くまた、お世話になるのかもしれない。
と思って勉強しなおしてみた。

とりあえず、青魚を食べましょう。
EPAにDHA。
賢くなるし、血液サラサラ、
おまけに炎症に強くなって( ・∀・)イイ!!塩梅。
栄養状態をコントロールしていないと、戦えるものも戦えなくなるからな。
ファイっ( ゚∀゚)・∵.

以上。
ながかったね。 おちまい。




追記を


プロシュアのこと


に書きました。