2010年1月6日水曜日

飲み忘れると。 (2010-01-06)

ちょっと、覚えで。
残しておきたいので。

Acid Symptoms After Proton-Pump-Inhibitor Discontinuation
PPI投与中止後の酸関連症状

PPIは壁細胞からの胃酸分泌を抑制し、その結果として血清ガストリン値が上昇し、壁細胞容積が増大する。
PPI投与中止時には胃酸分泌のリバウンドが見られる。
胃酸分泌のリバウンドの臨床的意義を明らかにするために、デンマークで120名の健康ボランティアによる無作為化比較試験(プラセボ12週投与とesomeprazole40 mg/日を8週間投与した後にプラセボを4週間投与とを比較)が行われた。
毎週、GSRSにより評価した。
両群のGSRSの前値は同等であった。
10、11、12週においては、酸関連症状スコアはPPI群のほうが有意に高かった。
両群の差はこの3週間の間大きくなった。
9~12週の間に胸焼け(44%対15%)、酸逆流、ディスペプシアを訴えた患者はPPI群のほうが有意に多かった。

明らかな適応症が無いwにも関わらず長期間PPIを投与されている患者が多数いることから、このことは重要である。
PPIを服用しているが本当は必要がない患者wが、PPI服用を中止した時に酸関連症状が起こると、医師は再びPPIを投与するであろう。
PPI中止後の酸関連症状がどれくらい持続するのか、それによって再びPPI治療を行うかどうかを決める手助けとして、より長期間の試験が必要である。
 Gastroenterology 2009 Jul; 137:80. (http://dx.doi.org/10.1053/j.gastro.2009.03.058)

GSRS調査票は、過去1週間の体調について、酸逆流、腹痛、消化不良、下痢、便秘に関する質問事項を含む。
点数により、1点の「ぜんぜん困らなかった」から、7点の「がまんできないくらい困った」まで、7段階に分類される。
1~2点は無症状、3点以上は有症状と考えられる。
これから全体の平均スコア、症状別平均スコアを算出する。
また、食生活のアンケート調査では、食事量の変化や食事にかける時間、間食の有無などを取り入れた。

食道裂孔があったり、食道のpHが4以下になる時間割合が7%を超過していたり。
今は、パリエットを飲んでます。
CYP2C19がワイルドタイプなので。
タルセバは、低酸が良くないんですがねぇ。

ちょっと飲み忘れただけで、
どうしてこんな思いをするんだろうと以前から思ってました。

プロトンポンプインヒビター(PPI)を飲むと、
プロトンポンプは止められ胃酸は出なくなりますが、
壁細胞は興奮してパンパン状態になっている。
と、言うのは聞いたことがある。

PPIを投与することによって、
血清のガストリンが上昇するのは割と知られている常識らしい。

壁細胞は、アセチルコリンとヒスタミンとガストリンの三つのチャンネルの刺激で酸を分泌する。

ヒスタミンは、夜間の酸分泌に関与し、H2ブロッカーは夜効果を発揮するといわれる。

ガストリンは、本来、食事をとる刺激で分泌される。

アセチルコリンは、日中のストレスが関与するんだっけ?

健康な人に、PPIを投与すると胃酸を出す気になっているのに、
胃酸を出せない壁細胞は大きく太って、
PPIが切れた途端、堰を切って胃酸を分泌するらしい。

これは、普段は逆流性食道炎や機能性胃腸症の症状が無い人にも、
酸関連疾患の症状をもたらすらしい。

「んじゃ、胃薬ね」って出されたPPIで、GERDなんかにまでなったら、
高脂血症やメタボ並みに、作られた病気っぽい感じ。

リバウンドのような症状は、4週間程度継続する、っと。
うっかり、PPIが手に入らない環境を作ってしまうと、
ひと月の間も胸焼けに苦しむことになるわけだ。

GERDがチェーン状態でPPIが続くのは、
漫然投与のたまものなんだろうか。
PPI中毒みたい。
大きいことはいいことで、大は小を兼ねると思われがちだが、
ブラピックスの事もあるし、なぁ。 (…ブラビックスね)

で、アシッドポンプインヒビターがでたら、どうなるんだろう。



さらに、覚えで残すこと。

この冬は、豪雪傾向にあるので、、
37年とか38年には、二年連続で豪雪だったと言う話を今日、聞いたもので。
新人で、雪深い山の診療所で、往診の要請があって、
長が留守にするわけには行かないからと、ぺーぺーが同期の外科医と雪山を這いつくばって、
たどり着いたら、とっくに冷たくなっていた話とか。

何の道具も無い状態で、崖から落ちて頭がぱっくり、とっくに絶命して居られるのを、
とりあえず何とかしましょうと、畳針で頭を縫い合わせて、帰った話とか。

食べられない患者さんに、どうしたものかと、皮下注で大腿に等張液を注射した話とか。
同じように、腸から吸収させようと、注腸した話とか。

ずいぶん実験的な感じですねぇと申し上げると、
点滴が当たり前になったのは、ずいぶん最近の話だとか。(その方の年齢からすると)

内視鏡が、ファイバースコープではなくて、「鏡」の体の頃の話は何度か聞かされましたが、
いやはや、と思いました。